【2025年大阪公演】声優が声で魅せる七変化!READING HIGH『TAIL to TALE~Story from 義経千本桜~』の感想

2025年11月15日、大阪の梅田芸術劇場メインホールにて音楽朗読劇READING HIGH『TAIL to TALE〜Story from 義経千本桜〜』を鑑賞しました。
この演目は2025年春に東京でも上演されましたが、このときは配信で拝見しました。早くも再演が決まり、ならぜひ現地で観たい!と大阪行きを決めました!!
それでは早速当日の感想をお話していきたいと思います。
『TAIL to TALE~Story from 義経千本桜~』とは

歌舞伎の演目『義経千本桜』に着想を得た、藤沢文翁氏のオリジナル作品です。物語は『義経千本桜』「河連法眼館の段」のその後から始まります。
義経一行のことが恋しくなった源九郎狐は、奥州藤原氏に身を寄せていた義経を尋ねることに。兄頼朝から命を狙われていた義経でしたが、彼に付き従っていた頼もしい仲間はみな義経を守り死んでいったという。
それを聞いた源九郎狐は、かつて両親の形見の鼓を返してもらった恩返しのため、そしてたった一人になってしまった義経を救うために、弁慶に化けて付き従おうと決意するのですが。
『TAIL to TALE〜Story from 義経千本桜〜』の配役
- 源義経役 杉田智和
- 金売り吉次役 石田彰
- 源九郎狐役 佐倉綾音
- 武蔵坊弁慶役 諏訪部順一
- 藤原泰衡役 山寺宏一
『TAIL to TALE~Story from 義経千本桜~』の感想

歌舞伎の演目では役者による「早変わり」が見どころのひとつと言われていますが、『TAIL to TALE~Story from 義経千本桜~』では声優のみなさんが、声だけで年齢や性別、種族を一にして飛び越えてしまうところに注目です。
大人の義経の姿から一瞬にして時をさかのぼって少年の牛若丸になってしまう杉田さん。五条大橋に儚げに立つ姿が思い浮かびました!優しげな声色も心に深く残ります。
石田さんは金売り吉次を演じているときはどこか飄々としているのに、頼朝を演じる姿は恐ろしいほどの威厳に満ちていました。今回も見事に化かされました!
佐倉さんは可愛らしい狐を演じていたかと思えば、佐藤忠信になったり。また、見目麗しい静御前に変わったりとまさに七変化!義経のために奮闘する姿に惹かれました。
諏訪部さんの弁慶は、回想シーンでは堂々として頼もしいのに、狐が化けた姿のときはなんとも愛嬌があってかわいらしい。そのギャップを最後まで楽しく拝見しました。
山寺さんは奥州藤原氏の御曹司、泰衡を真っ直ぐに演じる姿が素敵でした。年若いの泰衡を大ベテランの山寺さんが頼りなげに演じる様子に、さすが!と思いました。
さらに光や煙などの特殊効果は、声の演技から生まれた想像力を更にふくらませてくれるファクターです。
佐倉さんの前に煙幕が立ち込めると、変化から解けた銀色のきつねの姿がふと、まぶたに浮かぶ不思議も体験しました。
会場をあっという間に平安の世へと変えてしまう歌や音楽の力もすばらしい!
朗読劇なのにあらゆる情景が思い浮かぶのは、いつものことながら感動的です!
生の舞台を五感で感じることで、よりはっきりと脳内に映像が再現されるのだということにも感激です!
最後に広い会場を埋め尽くすように舞い散る桜を見て、感無量!!はるばる大阪まで来て、ほんとうに良かったと思いました。
さいごに

ここまで『TAIL to TALE~Story from 義経千本桜~』
の感想をおとどけしました。公演について詳しくはこちらから。
https://readinghigh.com/tailtotale
さて、音楽朗読劇READING HIGHの次回作は『ONE ~The last of 新選組〜』。
今度は幕末のお話です。
配信もあるようです。興味のある方は下記からチェックしてみてください。

