【大阪公演 感想】音楽朗読劇VOICARION 「スプーンの盾」に行ってきました!
わたしはVOICARION XVII「スプーンの盾」を観るため、娘と一緒に大阪へ行ってきました!親子でVOICARIONを鑑賞するのは久しぶりです。
これから東京から始まった1ヶ月公演の最終日、1月7日の昼公演の模様をレポートします。
※ストーリーのネタバレはありませんが、一部演出などの内容に触れています。ご注意ください。
先月、12月10日の公演のレポートはこちらをご覧ください。あらすじや公演情報も載せています。
「スプーンの盾」1月7日昼公演 キャスト別の見どころとは?
1月7日のキャストの印象を、本公演における小ネタを交えてお伝えします。
(小見出しの敬称は省略させていただきます。)
アントナン・カレーム/鈴村健一
鈴村さんのカレームは、優しさあふれる正義の料理人!
東京を含めた公演期間中、鈴村さんの出演はこの日の2ステージのみ。場数を踏んできた他の出演者と比べて、出だしは少し緊張している様子でした。
しかし終盤では無敵のヒーローのように堂々と立っていて……。さすが!と思いました。
マリー・グージュ/朴 璐美
朴さんのマリーは愛情にあふれた女性。みなを包み込む優しいお姉さんといった印象です。3人の男性をそれぞれ慈しむ姿がとてもステキでした。
じつは朴さんはこの公演中、4役すべてを演じていました。きっとどれもステキだったんだろうな……。ほかの役を演じている姿も観たかったです。
ナポレオン・ボナパルト/立木文彦
立木さんのナポレオンは頑固もの!とくにタレーランとのやり取りは迫力満点でした。
わたしは12月10日、初日の舞台に立った立木さんも観たのですが、その時と比べてより力強く演じているように感じました。
キャストの組み合わせでまったく違うステージになることを実感!複数の公演を観るのは本当におもしろい!と思いました。
モーリス・ド・タレーラン/山寺宏一
山寺さんのタレーランは、弁がたつ隙(すき)のない天才外交官。早口でまくし立てるところ。情感を込めて話すところのメリハリが魅力的でした。
東京でもタレーランを演じていた山寺さん。大阪公演では諏訪部順一さんの代役としての出演でした。
貫禄のある演技は安心感に満ちていて、言葉のひとつひとつが深く心に響きました。
「スプーンの盾」は音楽もおいしいの?調理器具が楽器に!
この日の演奏家の皆さんは、以下の通りです。(敬称は省略させていただきます。)
ピアノ……………斎藤 龍
ヴァイオリン……レイ・イワズミ
チェロ……………堀 沙也香
フルート…………久保 順
パーカッション …山下由紀子
詳しい経歴はこちらから
音楽を担当したのは小杉紗代さん。すべてこの舞台のためにつくられたオリジナルの楽曲です。「スプーンの盾」は料理人が主人公の物語。だから音楽の中にも調理器具が登場します。
2幕目はパーカッションの山下さんが幕前に登場!スプーンを片手に2本持ってカスタネットのように鳴らすところから始まります。そのほかにボウルやまな板をスプーンで叩いて奏でる曲もあります。
スプーンのカスタネットについては以前投稿した記事に載せています。VOICARION XIV「スプーンの盾」感想
わたしの座席からはよく見えなかったのですが、他にも使われているアイテムがあるかもしれません。
軽快に刻まれる弦楽器の音に混じって聞こえる調理器具の音色は、聞いているだけでワクワクしてきます。調理場ではなにを作っているのでしょうか。いまにもいい香りが漂ってきそう!
ところで、少し話はそれますが……。今回はなんとなく弦楽器の音が重い?と感じたのですが気のせいでしょうか?
これはあくまでわたし個人の感想です。しかしこんな風に聞こえたのは初めてだったので、備忘録として書き留めておくことにします。
「スプーンの盾」は特効もおいしそう!照明・舞台装置の見どころとは?
原作・脚本・演出を手がける藤沢文翁さんの朗読劇では、照明や舞台装置も見どころになっています。「スプーンの盾」ではトリコロールをイメージした青・白・赤の光が印象的に使われました。物語の中盤、フランスを象徴する3色の照明が客席をなめるように照らしていくシーンがとても好きです。
また調理場のシーンでは、演者の足元から湯気が上がりからだを包みます。じつはこの湯気、スモークをホットプレートで熱して舞い上げているのです。
もちろん煙には香りはないのですが……。思わず鼻をクンクンとさせてしまうから不思議です。
本公演のスモークの動きを、プロの特効さんが観れば「なんだ?あのスモークの動きは?」と驚くと思います。実は特効の #星野達哉… pic.twitter.com/Mbm67ndgZQ
— 藤沢文翁(Bun-O FUJISAWA) (@FujisawaBun_O) December 11, 2023
なんと大阪公演ではホットプレートがタコ焼き機に!なるほど!ユーモアあふれる演出もステキでした。
星野さんの特効。煙は熱すると舞い上がるので東京ではホットプレートだったのですが、大阪バージョンはたこ焼きになってて笑ったw ところが、表面積が増えたことで煙が綺麗になったんですw!遊び心から生まれた天才的発明w#スプーンの盾 pic.twitter.com/nsFQcocfVt
— 藤沢文翁(Bun-O FUJISAWA) (@FujisawaBun_O) January 5, 2024
劇場もステキ!サンケイホールブリーゼの魅力とは?
大阪公演の会場はサンケイホールブリーゼです。梅田にあるビルの7階にあります。わたしは初めて訪れました。
壁が真っ白な吹き抜けのロビーから劇場内に入ると、一転して「ブラックボックス」と呼ばれている真っ黒な空間が広がります。全体的にシックでモダンな印象。とてもスタイリッシュな劇場です。
一方、東京公演がおこなわれたシアタークリエは地下にあるクラシックなホール。深紅のシートが並ぶ優美な劇場です。ふと対照的な劇場だなあということに気がついて、ハッとしました。
どちらの劇場も魅力的なので、絶対にまた行きたいです。次の機会を楽しみに待ちたいと思います。
さいごに~感想など~
2024年1月7日。1か月にわたって東京と大阪全46公演。VOICARIONシリーズ最多の総勢38名が出演した「スプーンの盾」がついに千穐楽を迎えました。
今回観た公演はみなさんの掛け合いがスピーディー。とてもテンポよく展開しました。笑いと涙が交互にやってきて、本当にいい公演だったなあとしみじみ思いました。
唯一の心残りは、鈴村さんと諏訪部さんの掛け合いが見られなかったこと。藤沢朗読劇での共演が多いおふたりが久しぶりにご一緒する姿、観たかったです。
またおふたりが共演する日に期待して大阪公演のレポートを終わります。
今回の公演の詳しい情報はこちらからどうぞ。
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