わたしがハマっている朗読劇のはなし

近年、わたしが夢中になっている「藤沢朗読劇」。その魅力を、2019年1月12日に舞浜アンフィシアターにて鑑賞した、音楽朗読劇『Chèvre Note~シェーヴルノート~』夜の部 で受けた衝撃とともにご紹介します。

(※以下、お名前の敬称は略させていただきます。ご了承ください。)

この作品は、劇作家で舞台演出家の、藤沢文翁(ふじさわ ぶんおう)が、ソニーエンターテインメントとともに企画する「READING HIGH」第3作目の作品です。

2018年、たまたまCS放送でみた「READING HIGH」第2作目、音楽朗読劇『Homunculus ~ホムンクルス~』に感動し、

「また、こんなのがあったらみてみたい」

言うわたしに、娘が教えてくれたのが『Chèvre Note~シェーヴルノート~』でした。一般発売で奇跡的にチケットを入手し、娘とともに劇場へ!

本格的な舞台をみるのは久しぶり。朗読劇をみるのはこれが初めて。ドキドキしながら開演を待ちました。そして、ついに舞台が幕を開けます。

「藤沢朗読劇」とは

藤沢文翁が英国で学んだ朗読劇を、独自に改良した音楽朗読劇のこと。その技法によって、みた人それぞれの頭の中に物語の世界があらわれるということです。作品は、以下のプロジェクトで上演されています。・シアトリカル・ライブ・VOICARION・READING HIGH

魅力その1 視覚、聴覚を満たす演出

まずは驚いたのは、舞台のセット。朗読劇なので、セットはシンプルなものと思われがちですが、舞台劇と同じような本格的なもの。キャストも、役柄に合わせた豪華な衣装で立っています。皆さん、とてもカッコいい!

舞台の後方には演奏者の皆さんがいます。管弦楽?でもドラムもあるし、その上コーラスも!キャストの声の演技に合わせて奏でられる音楽は、自然に耳に入ってきて、とても心地よく胸に響きます。生演奏の音楽も、藤沢朗読劇には欠かせない要素のひとつになっています。

またこの作品では、悪魔や魔法が登場します。戦いのシーンでは、さまざまな照明で魔法を表現します。戦闘が激しくなると、舞台上に炎が立ち上ぼり、爆破も起こります。

そのなかでも、それに負けない迫力で訴えかけてくる、キャストの皆さんの声の演技に、いつの間にか引き込まれていきました。このような派手な演出は「藤沢朗読劇」の真骨頂です。

それらはわたしが今まで考えていた朗読劇のイメージを、根底から覆すものでした。そして今までみたどんな舞台よりも、素晴らしいものだと思いました。

このような演出は、前年『Homunculus ~ホムンクルス~』をテレビでみて、知っていたはずなのですが、生でみるとそのパンチ力はまた格別です。

魅力その2 豪華な出演者

『Chèvre Note~シェーヴルノート~』のキャストは、全部で7名。

中村悠一、梶裕貴、沢城みゆき、梅原裕一郎、

津田健次郎、諏訪部順一、大塚明夫

いずれも声優として、有名な方々ばかり。これだけの皆さんが出演した舞台を鑑賞したわたしは、本当に幸せものだと思います。

藤沢文翁が演出する舞台には、とてもたくさんの声優や俳優の皆さんが、出演しています。

テレビや舞台の第一線で活躍する方々の、夢のような共演を観られるのも「藤沢朗読劇」の魅力です。

魅力その3 愛にあふれたストーリー

この演目は、私たちがよく知るジャンヌ・ダルクのお話を、新解釈したファンタジー作品。歴史や物語が大好きなわたしにとっては、ワクワクが止まらない内容です。

愛する人を救いたい。そのために自らを犠牲にする人々の姿に、心が揺さぶられます。

愛とは?命とは?どの作品でも、最後はそれを思い、涙が止まらなくなるのも「藤沢朗読劇」の魅力なのです。

わたしはこの舞台で、登場人物のひとり、リッシュモンの言動にショックを受け、すっかり心を奪われてしまいます。彼の置かれた状況とその人生が、あまりに哀れでならなかったからです。彼に感情移入したことで、物語により一層、のめり込んでしまいました。

この日の衝撃がきっかけで、わたしは「藤沢朗読劇」の”とりこ”になりました。これ以降、発売済みのCDやDVDなどを探しては作品を鑑賞し、新たな公演も心待ちにするようになりました。

「藤沢朗読劇」のおすすめ作品

わたしがこれまでに出会った作品で、とくにおすすめのものを紹介します。これらの作品は、配信やCD、DVD、Blu-rayで楽しむことができます。

1.『信長の犬』

「VOICARION」シリーズで、最も多く再演されている人気作品です。

日本初の軍用犬の実話をもとにした作品。有名な戦国武将も登場し、分かりやすいストーリーも魅力です。犬と人との関わりを通して、命について思いを深くしました。わたしは2018年9月公演「VOICARION Ⅲ」のDVDをみて、大好きになりました。何度もみていますが、必ず同じところで号泣してしまいます。

2020年9月「VOICARION Ⅸ」(帝国劇場公演)では、8公演すべて、キャストの組み合わせが違いました。わたしは5日目の公演をみに行きました。大好きな作品を生でみることができて、本当に嬉しかったです。この公演は第15回声優アワード シナジー賞を受賞しています。

この作品では、何人かのキャストが2役を演じており、皆さんの声の演じ分けの素晴らしさに感動しました。

2.『El Galleon~エルガレオン~』

2020年2月に上演された作品で、「READING HIGH」シリーズの第4作目。19世紀初頭、ナポレオン戦争の時代が舞台のオリジナルストーリー。

東京国際フォーラムホールAでの3公演、すべて結末が違う「マルチエンディング」で上演されました。わたしは幸せなことに、3公演ともみることができました。

どのエンディングも、たくさんの愛に満ちていていました。改めて、身近な人を大切にしたいという気持ちでいっぱいになりました。

この作品はダイナミックな演出も見どころ。なかでも、幽霊船と英国の軍艦との戦闘シーンが圧巻です。舞台上から天井まで高く立ち上った水柱は、なんと本物の水!

さらにラストシーンでは、世界初の照明機器による光の演出を見て、涙が止まらなくなりました。

何もかもが壮大なこの公演で得た感動は、今でも忘れることはできません。

3.その他

2021年4月から放送してるアニメ『MARS RED』の原作も、藤沢文翁の朗読劇(2013年初演)です。

また、その外伝にあたる『The Black Prince』は、「シアトリカル・ライブ」シリーズの作品。2017年に上演されました。

さいごに

ご紹介した作品以外にも、「藤沢朗読劇」には、たくさんのすてきな作品があります。興味を持たれた方は、ぜひ触れてみてください。

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