アニメ『十二国記』楽俊が陽子と私たちを救ってくれる!名言もありの名場面5選!!

最近前々から気になっていたアニメ『十二国記(じゅうにこっき)』を見ることができた。原作は小野不由美(おのふゆみ)の同名の小説シリーズだ。

 

『十二国記』は異世界ファンタジー。物語の設定は少し複雑。用語も難解だ。わたしは物語の冒頭から、世界観が分からず戸惑ってしまった。

 

しかし第6話で楽俊(らくしゅん)が登場。異世界に迷い混んだ主人公への説明を聞いて、わたしもやっと十二国のことを理解することができたのだ。

わたしはこれ以降、十二国記の世界を楽しめるようになった。6話で楽俊が登場しなければ、途中でリタイアしていたかもしれない。

 

ここからは陽子が楽俊の言葉に救われ、たくましくなっていく過程を5つの名場面を紹介しながらお話していこう。

 

 

陽子と楽俊が出会うまで

主人公、中嶋陽子(なかじまようこ)は、日本に住む高校生。陽子は毎日のように悪夢におそわれ、鬱屈(うっくつ)とした毎日を過ごしていた。

 

ある日教室にいた陽子の前に金色の髪の青年、景麒(けいき)が現れ、いきなり陽子に向かって膝をついて頭を下げる。戸惑う陽子。

 

しかしそんなふたりを目掛けて謎の巨大な生き物が突然襲いかかってくる。

 

景麒の助けで難を逃れた陽子と友人たち。しかし景麒は詳しい説明をしないまま、彼らを自分の住む異世界へと連れ去ってしまう。

 

その世界には、景麒が住む「慶(けい)」という国を含めて12の国が存在していた。

 

しかし異世界へ到着後、陽子たちは景麒とはぐれてしまう。こちらに来てからも彼らは引き続き、未知の生物に襲われる。知らない世界に取り残された陽子たちは、次々と困難に見舞われることになる。

 

やがて友人たちともはぐれてしまった陽子は「巧(こう)」という国で行き倒れしてしまう。そんな陽子を救ってくれたのが、楽俊である。

 

 

名場面① 陽子、楽俊に救われる~楽俊、賢く優しい!~

楽俊は、巧国に住む”人とネズミの半獣”である。

 

陽子は巧で異国からの侵入者として役人に追われていた。陽子を助けた楽俊もそのことを知っていた。だから陽子が眠っている間に役所につき出すこともできたのだ。

 

しかし楽俊はそれをしなかった。そればかりか陽子の剣や持ち物もそろえて枕元に置いていたのだ。

 

陽子は自分に危害を与える人間かもしれない。しかし疑うことなく陽子を助けた楽俊は、なんて優しくて、いい人なんだろう!きっと何か信念があってのことだろう。心の強い人だ!

 

楽俊は目覚めた陽子にこう告げる。

 

「お前は3日間眠っていた どうにかする気ならその間にしてらぁ その剣だって隠してるぞ そういうことでオイラをちょっとだけ信用しねぇか」

 

しかし、陽子はどんなに優しい言葉をかけられても、楽俊を信用できない。

 

陽子はここへやって来てから、たくさんの困難に遭い、誰も信じることができなくなっていたからだ。

 

楽俊は陽子に食事を与えると、巧やその他の十二国のことを話して聞かせる。

 

十二国の地理。ここでは子どもは母親の腹から生まれるのではなく「里木(りぼく)」という木に実ること……。

 

楽俊の話を聞き、陽子はここが今まで住んでいた世界とまったく違う異世界であることを思い知るのだった。

 

この世界の人々は、陽子が住んでいた日本のことを「蓬莱(ほうらい)」と呼ぶ。そしてそこから来た人のことを「海客(かいきゃく)」言う。

 

楽俊は生来の正直もので、真面目で賢い。しかし、巧国では半獣は学ぶことも、田畑を持つこともできない。海客も巧では冷遇される。

 

しかし巧から内海を挟んで北方にある国、雁(えん)では、半獣でも海客でも、なに不自由なく暮らせるという。楽俊は「一緒に雁に行こう」と陽子を誘う。

 

出会って間もない見知らぬ人に、ここまで親切にするなんて!

 

陽子は「楽俊、ありがとう!」と感謝をしてもいいはず。しかしそれでもまだ陽子は楽俊のことを信用しない。

 

陽子はただこの世界で生き残るため。その一心で楽俊とともに雁を目指す。

 

 

名場面② 陽子、雁までの道程で~楽俊、いいひと!~

楽俊は陽子とふたりで雁を目指すが、途中で妖魔(再三、陽子を狙う未知の生物)に襲われる。その際陽子は倒れた楽俊を置いて、その場を離れてしまう。

 

この世界では誰も信じられない。自分以外のものはすべて敵だ。わたしはただ生き残るために日々を送る……。そんな思いが陽子の心を占めていたからだ。

 

しかし自分を救ってくれた楽俊のことをが頭をよぎる。思い直して引き返すが、楽俊を見つけることはできなかった。

 

陽子は楽俊を見捨て、自分が助かろうとしたことを悔いた。そして利己的な考えを改めることを決意するのだった。

 

陽子はその後も雁を目指す。雁に向かう道中でさまざまな人々との交流を重ねた陽子は、次第に人を思いやる心を取り戻していく。

 

楽俊は怪我もなく先に雁に到着していた。陽子は楽俊はついに雁の港で再会する。その時楽俊が陽子にいったセリフ。

 

「おいらが悪かった 銭を持たせてやればな ここまでの道中大変だったろう」

「もちろん逃げて良かったんだ 衛士(えじ)に捕まったらどうする 逃げろって言って財布を出してやればよかったんだがストーンと意識を失ってしまって」

 

陽子は楽俊を見捨てたことを申し訳なく思っていた。しかし楽俊は陽子をちっとも恨んでいない。むしろ陽子の身を案じていたのだ。

 

やっぱりいい人だ!!陽子はここで初めて楽俊のことを名前でよぶ。楽俊はいつかきっと陽子が心を開いてくれると信じていた。楽俊の思いが、やっと陽子に届いたのだ。

 

 

名場面③ 陽子、雁で宿命を知る~楽俊、戸惑う!~

雁に着いたふたり。その晩陽子と楽俊は、一夜の宿にと訪れた学舎で、蓬莱からきたという教師に出会う。

 

教師は陽子から雁に来るまでの経緯を聞くと、思いもよらぬことを陽子に告げる。

 

・陽子はもともとこちら(十二国)の世界の人間であること。

 

・こちらの人間である陽子は、里木に実った「卵果(らんか)」の中で育っていた。

 

・しかし「蝕(しょく)」という現象が起こり、陽子が入った卵果は蓬莱に流されてしまう。このとき、蓬莱で母の胎内に宿り、生まれたのだということ。

 

・景麒は慶国の麒麟だということ。

 

・景麒が陽子の前にひざまずいたのは、景麒が陽子を王と認めたからだということ。

 

これを聞いた陽子は、みずからの宿命に驚くのだった。

 

この十二国が存在する世界では、神獣である麒麟に選ばれたものが王となり、国を治める。

 

陽子は慶国の麒麟、景麒によって王に選ばれ、こちらの世界にやって来たのだ。

 

陽子が慶王だと知った楽俊は、陽子を敬い距離を置くようになる。

 

名場面④ 陽子、楽俊と共にと願う~楽俊、かわいい!~

楽俊は半獣である。人間の姿で過ごすこともできるが、普段はネズミの姿をしている。

 

本人いわく、この方が楽とのこと。おだやかな性格なので、決して声を荒らげることはない。

 

ネズミの姿では二足歩行。立った姿で陽子と並ぶと、楽俊の背丈は陽子の胸の下くらい。

 

耳ピクピクさせたり、しっぽを動かしたり。クリクリとした瞳も愛らしい。

 

雁の王、尚隆(しょうりゅう)より王宮に招かれることになった陽子。どうしても一緒に来てほしいと思った陽子は、楽俊を説得する。

 

陽子は楽俊に訴える。自分が王であるせいで、楽俊に敬語をつかわれるのは嫌。見捨てられるのも嫌だ。王だから楽俊と友だちでいられないというのなら、王座なんていらない。

 

しかし楽俊は陽子を「遠いお方」という。さらに陽子は続ける。

 

「それは差別だ 楽俊は私を海客だからと差別しなかった なのに王だと差別するのか」

「遠くなんかない 楽俊の気持ちが遠ざかったんだ 私と楽俊の間にはたかだか2歩の距離しかないじゃないか 」

 

それに対して、いつもネズミの姿でいる楽俊が答える。

 

「違う オイラには3歩だ」

 

まあ、なんてかわいい発言!!そう。人間とは歩幅が違うのだから、ネズミの姿の楽俊には3歩なのだ。わたしは「そうよね」と思わず笑顔でうなずいてしまった。

 

陽子の手を握った楽俊を、ぎゅっと抱きしめる陽子。

 

陽子は楽俊のことが、いとおしいんだろうな。だって本当にかわいいんだもの。

 

こうして楽俊は、陽子と一緒に雁の王宮へ向かうことになった。

 

 

名場面⑤ 陽子、雁の王宮へ~楽俊、イケメン!?~

陽子は尚隆と話をするために身なりを整え、通された部屋で楽俊を探す。

 

すると世話役の従者は、隣にいる若者を示して楽俊だと告げる。

 

その姿は、中肉中背。頭髪の色は、ねずみ色。利発で真面目な好青年といった印象。

 

陽子は思わず、

「楽俊 男の人なんだね」

と言ってしまう。

 

半獣とは人間の姿にもなるのだ。それに気づいた陽子はハッとし、顔を赤らめた。先日ぎゅっと抱きしめてしまったことが恥ずかしくなったのだろう。

 

尚隆は陽子に慶国の実情を話す。

 

慶国では今、偽物の王がたっている。何者かが神獣である景麒の能力を封印したらしい。

 

偽王は抵抗できずにいる景麒をそばに置いている。そして臣下や国民に、自分こそが麒麟に認められた王であると威厳を示しているのだ。

 

ここに本当の王がいるのに。偽王の所業が許されるはずはない。

 

尚隆は陽子に景麒を救いだし、偽王をしりぞけること。そして慶国の民のため、王位に就くよう陽子を説得する。

 

しかし陽子はなかなか決心がつかない。まだ、もとの世界に戻りたいという気持ちが残っているのだ。

 

陽子は、巧や雁でのさまざまな経験を経て、自分がおろかな人間であると自覚していた。そのうえで陽子は悩んでいた。自分は本当に王に相応(ふさわ)しい人間なのだろうかと。

 

楽俊は優しく言い聞かせるように、陽子を励ます。景麒が認めた陽子は、間違いなく慶国の王なのだと。

 

景麒は陽子のおろかさや浅ましさを理解している。だから陽子が足りないところは景麒が補うし、景麒が及ばないところは陽子が助ければいいと。

 

「振り向くなよ 今ちょっとさわりがあるからな 仕方ねぇだろ ネズミのままじゃぁ手が届かないんだから」

 

楽俊は人間の姿になった。そして陽子のそばに寄り添い、そっと陽子の肩に手をかけたのだった。

 

「陽子、どっちを選んでも良いが分からないときは自分がやるべき方を選んでおくんだ 同じ後悔するなら軽い方が良いだろう」

 

陽子のうしろに立った楽俊は、一糸まとわぬ姿であった。もちろん、この時全身が描かれているわけでもない。しかし突然のことで、わたしはドキリとした!

 

「おいらは陽子がどんな国を作るか見てみたい 」

 

楽俊は優しい笑みを浮かべているが、イケメンというほどでもない。でも、この一連のシーン。陽子とのやりとりが素敵すぎる!

 

これ以来、楽俊のことが大好きになった。

 

楽俊の言葉に背中を押された陽子は、ついに慶国の王になる決心をするのだった。

 

 

まとめ

何もわからないまま十二国という異世界にやってきた陽子。自暴自棄になっていた陽子を立ち直らせ、慶国の王座へと導いたのは間違いなく楽俊だ。

 

わたしがこのアニメから離脱せず、熱中するようになったのも楽俊がいたから。

 

楽俊って本当にすごい!!

 

アニメでは、これからも陽子と楽俊の関係は続いていく。そして楽俊は、これからも出会う人々の運命をよい方へ動かしていくようだ。

 

みなさんも、こんなにも魅力的なキャラクター、楽俊を追いかけながら、アニメ『十二国記』を楽しんでみてはいかがだろうか。

 

 

Follow me!