【2026.2公演】VOICARION 『孔明最後の一夜』その魅力と感想をお伝えします!

2026年2月20日、わたしは東京建物 Brillia HALLで行われたVOICARION10周年記念公演『孔明最後の一夜』を観に行きました。

 

音楽朗読劇である『孔明最後の一夜』の初演は2021年。今回で3回目の公演です。初演は大阪、再演は博多で行われたため、私はこの演目をBlu-rayや配信でしか観たことがありませんでした。そのため今回が現地での初観劇となります。

 

わたしは声優の方々を応援するうちに、藤沢文翁さんの朗読劇のファンになりVOICARIONシリーズと出会いました。また以下のような記事を書くほどの三国志ファンでもあり、ずっとこの日を心待ちにしていたのです。

 

noteマガジン おばちゃん目線の三国志談義はこちらから

https://note.com/kuri21magi09/m/m6b7680094fa8

 

ここからはVOICARION『孔明最後の一夜』生観劇の感想や考察、また作品の魅力についてレポートします。なお『孔明最後の一夜』のストーリーを考察する!の見出し内では、内容のネタバレありでお話ししていきたいと思いますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

2026年2月20日のキャスト

わたしは、2026年2月20日の昼夜2公演を鑑賞しました。なお、各公演のキャストはこちらからご覧ください。

https://www.tohostage.com/voicarion/10th/komei.html#castsch

 

『孔明最後の一夜』の魅力と感想!

ここからはこの朗読劇の魅力について、感想を織り混ぜて、お話していきたいと思います。

 

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『孔明最後の一夜』は古代中国、三国時代が舞台!

約100年にもわたる戦乱の時代を朗読劇で描くことに、わたしは改めて驚きました。赤壁の戦いや五丈原の戦いといった大きな戦いのシーンもあるのに……。

 

音楽の生演奏や音や光などの特殊効果などにより、戦闘シーンを表現!舞台のセットを変えずに戦場や野営地、または宮殿など……さまざまな場所に瞬時に移動できるのもすごいです!

 

舞台の背面で短冊状の大きな布が風になびき、キャストの足元でかがり火のような照明が揺れるだけで、広大な大地に展開する大軍を感じることができるのも、藤沢朗読劇ならではだと思います。

 

また、ひとりが複数人を演じることや回想シーンを多く盛り込むことで、ストーリーに厚みを持たせ、より壮大な世界観を表しているのかもしれません。これも藤沢さんの脚本ならではの特徴です。



もちろん、朗読キャストのみなさんの名演も欠かせません!

マイクの前に立って芝居をしているのに、わたしの脳内にあるもうひとつの舞台では、キャラクターたちが自由自在に躍動します。

 

司馬懿親子が馬に乗っていたり、関羽や張飛が大きな武器を振り回して戦ったり。劉備が義兄弟や孔明を囲んで酒を酌み交わしているかと思えば、別のシーンでは病に冒された孔明が寝台に横たわっている様子が目に見えるよう。

 

声色だけで戦ったり、酒を呑んだり、病に苦しんだりしているのです。もう何度も藤沢さんの朗読劇を観ていますが、このような巧みな声の演技にはいつも心が揺さぶられます。

 

また朗読キャストのみなさんは、三国時代の装いを彷彿とさせる衣装を身につけて演じています。

 

立ち居振る舞いやしぐさによる表現も相まって、孔明が!そして劉備、関羽、張飛が!さらに姜維や司馬懿親子まで……!いつか会ってみたかったその人が、まさに目の前に立っているように見えるのです。

 

ずっと憧れている三国の英傑たちがすぐそこにいる!もう、それだけで胸が高まります。照明が落ち、シルエットだけが浮かび上がると、ますますそう思えるから不思議です。



声の演技と音楽の生演奏の相乗効果によって、五感が激しく揺さぶられます。藤沢さんの朗読劇は何度も鑑賞していますが、声の演技と音楽の生演奏の相乗効果による独特の没入感がたまりません。

 

せつないセリフのあとに流れてくる胡弓の音色なんて……もう、涙が出るに決まってるじゃないですか……!

 

『孔明最後の一夜』は、哀愁を帯びた音楽が導く、信じあう思いの強さといのちの儚さを描いたストーリーだと感じました。

 

わたしはこの悲しくも美しい作品が、たまらなく大好きです!

 



『孔明最後の一夜』のストーリーを考察する!

ここからは『孔明最後の一夜』のストーリーを振り返りながら、この作品の感想やわたしが考えてみたことについてお話ししたいと思います。ネタバレありです、ご注意ください。

 

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この物語は、五丈原の陣中で死を悟った孔明が、自分亡きあと戦地から蜀軍を無事撤退させるための策略を巡らせるところからはじまります。

 

そんな孔明の傍らには腹心の姜維が控えていました。「死せる孔明生ける仲達を走らす」という故事に至る物語の始まりです。

 

死を前にした孔明が、自分の心配よりも蜀軍のことを心配したのはなぜか?

 

もしかしたら、孔明は自分ではじめた戦いに、最後まで責任を持ちたかったのかもしれません。

 

しかし、あとに残される者たちのことまで考えなくてはいけなかったのだと思うと、とても悲しくなりました。

 

死に臨んで孔明は過去の出来事に想いを馳せます。そして物語は劉備、関羽、張飛との出会いの日まで遡ります。

 

この世のあらゆる知識を習得し「わからないことは何もない!」と豪語する孔明は、自ら手紙を送り呼びつけた劉備に対し「自分を雇え!」と高飛車な態度でせまります。そして「劉備を皇帝にする!」と高飛車に言い放ったのでした。

 

さらに孔明は兵士たちを従わせるための演出として、劉備らに「あと2回自分を訪ねるように」と告げるのですが……。「三顧の礼」は美談ではなく、孔明の計略だった!という解釈、とてもおもしろいなと思いました。

 

このような孔明の態度に関羽、張飛は怒りをあらわにしますが、劉備は孔明が語る未来の展望をおおらかに受け止めるのでした。

 

劉備は孔明が示した策略を信じて胸を預けます。それは劉備の理想と孔明が描く未来が一致した瞬間だったのかもしれません。

 

 孔明の策と孔明が描く未来を信じた劉備軍はその後、呉の孫権と同盟して、魏の曹操軍を退けます。

 

こうして孔明は劉備、関羽、張飛に認められます。4人は酒を酌み交わすほどの仲間になったのです。劉備は孔明と対話するうちにその心に潜む寂しさや「誰かに認めてほしい!」という強い思いに気付いたのかもしれません。

 

しかし、魏や呉との争いのさなか、孔明は関羽、張飛、劉備を相次いで失います。孔明が描いた未来を体現できる人がいなくなってしまったのです。

 

蜀の皇帝になったことで満足して逝った劉備。でも自分がいれば、劉備を天下のあるじにできたはず!そして劉備がつくる”義理と人情でできた統一国家”を見ることも叶ったはずなのに……。

 

彼らを失っては……その大望を遂げることはできないのです。

 

さらに孔明は、後継にと考えていた馬謖に死罪を言い渡すことになります。有名な「泣いて馬謖を斬る」の逸話です。

 

自分にそっくりで自信家の馬謖に夢を預けたい!そう思って大切に育てていたのに……。しかし策に溺れ、軍律違反をした馬謖を許すわけにはいかなかったのです。

 

このように悲しみにくれる孔明が最後に見つけた希望の光が、姜維だったのです。孔明は死を目前にして、姜維にあとを託すことを決めました。

 

孔明か五丈原で最後の策略を練ったのは、……もうだれも失いたくない!姜維をはじめ、兵士たちを無事帰したい!そう、強く願ったからに違いありません。

 

そしてついに別れのとき。この世のことなら何でも知っている孔明は、死後の暗闇を恐れます。姜維に手を握られたまま激しく動揺するシーンでは、わたしも胸が苦しくなりました。

 

姜維はそんな孔明に向かって「あの世で劉備、関羽、張飛に会えるかもしれない……」と声を掛けますが、孔明はそんな不確かなことは信じていない様子。……でもわたしはそんな現実主義的なところこそ、孔明らしいなと思いました。

 

まとめ

ここまでVOICARION10周年記念公演『孔明最後の一夜』の作品の魅力や感想についてお話ししました。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

そのあとも2026年5月まで、さまざま演目が上演されることがきまっています!まだまだ観たい作品があるので、楽しみに待ちたいと思います。

 

VOICARION10周年記念公演および、VOICARION作品について詳しくは、下記のサイトからご覧ください。

 

VOICARION10周年記念公演

 

音楽朗読劇『VOICARION』

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