【2024年上演】音楽朗読劇READING HIGH『ROAD to AVALON』の感想をお話します!
2024年5月11日、わたしは東京・有明にある「東京ガーデンシアター」に音楽朗読劇READING HIGH『ROAD to AVALON』の夜公演を観に行きました。
公演の感想をさっそく、ストーリーのネタバレなしでお伝えします。
※なお、演出上のネタバレがあります。ご注意ください。
『ROAD to AVALON』演出の感想
幕が開いてまず驚いたのは、バンドのみなさんがが中央にドン!と固まっていて、朗読陣がバンドを囲むように配置されていたことです。
いままでは朗読陣のうしろにバンドがいたので、とてもびっくりしました!
これが、音楽と朗読が一体になった新しい舞台のかたちなのでしょうか?とてもいいなと思いました。
今回も魔法を使って書いたような、藤沢文翁さん(原作・脚本・演出・作詞)独特の世界観に引き込まれました。
魔法のように変幻自在な光の演出に加えて、煙や炎の演出が舞台をつつみます。
さらにさまざまな楽器を魔法のように操って奏でる音楽がステキ!
とくに3つ(?)の楽器を代わる代わる使いこなす村中俊之さん(音楽監督)が、魔法使いのように見えてとても不思議でした。
『ROAD to AVALON』出演者の感想
ここからは、出演者ごとに演技の感想をお話したいと思います。どうぞご覧ください。(見出しの敬称略。なお、文中のに登場する作品はすべて藤沢さんによるものです。)
ランスロット/中村悠一
音楽朗読劇READING HIGH『YOUNG WIZARDS』など多くの作品に出演している中村悠一さん。
今回演じたランスロットは、人望が厚く優しい騎士!物語はランスロットが湖の乙女に出会うところから動き始めます。
やはり中村さんには「最強」という言葉がよく似合う!剣を振るって敵をなぎ倒す姿を思い描くだけでドキドキします。
モードレッド/杉田智和
2012年に上演された戦国ブログ型朗読劇 SAMURAI.com「叢雲-MURAKUMO-」に出演している杉田智和さん。
今回演じたモードレッドは呪われた運命に抗う人。少し寂しげだけれど、芯の強い青年です。杉田さんは、時折クスッと笑わせる演技で会場を沸かせました。
杉田さんの生の演技を観たのは初めてでしたが、とても楽しく、魅力的な方だなと思いました。
ガヴェイン/安元洋貴
2023年に上演された音楽朗読劇READING HIGH『BASE METAL』などに出演している安元洋貴さん。
今回演じたのガヴェインは「太陽の騎士」という異名のとおり、正直で明朗な人柄がカッコいい!
安元さんが演じる「まっすぐな人」は、いつでもどっしりと構えていて頼りがいがあるところが好きです。
湖の乙女&幼少期のアーサー王/沢城みゆき
2019年と2021年に上演された音楽朗読劇READING HIGH『シェ―ヴルノート』などに出演している沢城みゆきさん。
今回演じた湖の乙女は、アーサー王やランスロットの「運命」と深く関わっていく役どころです。妖精というふわっとした存在を沢城さんらしい感性で表現していて、独特の可愛らしさに引き込まれました。
また幼いアーサー王も話した瞬間、まだあどけない少年の姿が浮かんできて「さすがだな」と思いました。
ガレス/梅原裕一朗
音楽朗読劇READING HIGH『El Galleon~エルガレオン~』などで聡明なキャラクターを演じることが多い、梅原裕一朗さん。
今回演じたガレスも軍事の天才です。しかし物語の終盤、ガレスの行動が会場の空気を一変させてしまいます。その訳とは?
この作品を通して、わたしはこれまでの藤沢朗読劇では見られなかった梅原さんの新たな魅力を知ることができました。
アーサー王/諏訪部順一
諏訪部順一さんは2017年の音楽朗読劇READING HIGH『Homunculus ~ホムンクルス~』のほか、たくさんの作品に出演しています。
今回は「王の中の王」アーサーを演じました。若く輝いている時の声や、衰えを感じながらも皆に悟られまいと振舞う声など、声だけで年齢や心の変化を感じ取れるところがステキです。
アーサー王の運命はいかに?最後まで目が離せない演技に釘付けでした。
アンブローズ・マーリン/大塚明夫
2018年に上演された音楽朗読劇READING HIGH『HYPNAGOGIA~ヒプナゴギア~』など多くの作品に出演している大塚明夫さん。
今回は伝説の魔法使い・マーリンを演じています。大塚さんのマーリンは王を守る強い意志と、子どもの未来を思いやる深い愛情を合わせ持つステキなお爺さまです。
優しいけれど少し面倒くさい。わたしはそんなマーリンが大好きです。
さいごに
わたしはこの物語のキーワードは「運命」だと思いました。
運命に従うか
それとも抗うか
混沌の時代をどう生きるか?
キャラクターひとりひとりが放つ言葉が、戸惑うわたしたちへの応援歌のように聞こえました。
ときに泣き、ときに笑い。愛と憎しみに翻弄されながらも、最後は感謝に包まれる素晴らしい舞台でした。
いつか再び、生の舞台で『ROAD to AVALON』に出会えたらいいなと思っています。
公演に関する詳細はこちらからどうぞ
https://readinghigh.com/roadtoavalon/